ドローン検定3級を合格して早速2級に挑戦してきました。
今回も解答と計算問題の解説をしていきたいと思います
出題範囲
2級は、物理や電子工学やリスク管理などさらに深く難しくなっています。
出題範囲はドローン検定協会公式の「ドローンの教科書 標準テキスト」と「ドローンの教科書 上級テキスト」から出題されます!
「ドローンの教科書 標準テキスト」(3・4級対応)からの出やすい問題を過去の統計からまとめてみました。
- 機体の動き(ヘディング・フレア操作)
- 機体にかかる力(ストール・失速)
- 気象と風(上昇気流・セットリングウィズパワー・地面効果)
大体この辺を押さえておけば安心です。
ドローン検定2級試験
試験時間:90分
試験問題数:50問
合格ライン:1問2点・80点以上(40/50問)
航空法については令和4年11月時点のもの
無人航空従事者試験(令和4年)問題
【問1】無人航空機の分類の説明として誤っているものを選びなさい。
- 飛行機は重航空機に属する
- 軽航空機は空気より軽い機体を用いて浮力により飛行する
- ヘリコプターは回転翼機に属する
- 動力を持たないグライダーは軽航空機に属する
【問2】地面効果の説明として間違ているものを選びなさい。
- 地面効果が発生すると揚力を失い墜落する
- 地面効果が発生すると着陸しにくくなることがある
- 地面効果が発生するとより少ない動力で揚力を発生させることができる
- 機体の飛行によって吹き下ろされた空気が地面に当たって空気が圧縮される現象
【問3】次の選択肢のうち、ヘリコプターが失速する原因となる行為を選びなさい。
- ローターの回転数を上げる
- 前進速度を上げる
- ヨーイングする
- 上昇する
【問4】「リスク」の説明として正しいものを選びなさい。
- 機体が既に故障している状態
- ある状況を想定した際の危険性
- 機体の整備作業
- 運行管理記録
【問5】セットリングウィズパワーの回避操作として正しいものを選びなさい。
- 風上に向かって加速させる
- コレクティブピッチを操作して上昇操作する
- 降下させる
- ローターの回転数を下げる
【問6】「曳舟」の説明として正しいものを選びなさい。
- 動力を持たないグライダーを飛行させるために他の航空機によって上空まで引っ張ってもらうこと
- 夜間に飛行すること
- 水上を移動する装置を装着することで水上での離着陸を可能にすること
- 完全な自動航行を行うこと
【問7】最も強いコリオリの力を生じる運動を選びなさい。
- 地球を東から西に向かって移動するとき
- 地球を西から東に向かって移動するとき
- 地球を自転軸の北極から赤道に向かって移動するとき
- 地球の赤道上の表面のある一点に留まるとき
【問8】次のうち最も大きな慣性力が生じると思われるものを選びなさい。
- 時速100kmで移動する車が10秒で停止したときに運転手が感じる力
- 時速20kmで移動する車が10秒で停止したときに運転手が感じる力
- 時速100kmで移動する車が5秒で停止したときに運転手が感じる力
- 時速20kmで移動する車が5秒で停止したときに運転手が感じる力
【問9】マルチコプターの飛行において動安定が中立若しくは負でハンチングを生じる場合に考えられるトラブルとして最も最適なものを選びなさい。
- プロポの信号が弱い
- ゲインの設定が低い
- ゲインの設定が高い
- GPS信号の強度が弱い
【問10】大気圧の説明として正しいものを選びなさい。
- 大気圏内の空気の質量
- 任意の平面にかかる大気の重さ
- 大気の密度
- 地球の引力の大きさ
【問11】フレア操作の説明として正しいものを選びなさい。
- 進行する機体を静止させるために機体を傾けること
- 急降下すること
- 着陸灯を点灯すること
- 回転すること
【問12】次のうちGNSSでないものを選びなさい。
- GPS
- WiFi
- ガリレオ
- みちびき
【問13】風速の特性として正しいものを選びなさい。
- 地上の風速はどこでも一定である
- 風速は建物の有無によって変化しない
- 地上より海上の方が風速は遅い
- 高度が上がるほど風速は速くなる
【問14】上昇気流が原因で発生する現象として正しいものを選びなさい。
- エアポケットの発生
- 積乱雲の発生
- 気温の低下
- 気温の上昇
【問15】質量20[kg]の物体に10[N]の力を加えるとき、その物体に生じる加速度の大きさとして最も適切なものを選びなさい。ただし、摩擦や重力などの外乱は一切ない環境であるとする。
- 0.2[m/s²]
- 0.5[m/s²]
- 1[m/s²]
- 2[m/s²]
【問16】空虚重量が1.5[kg]、追加装備の重量が500[g]、バッテリーの重量が1[kg]、積載物の重量が800[g]の無人航空機の飛行許可申請を国土交通省に提出する場合の機体重量として最も適切なものを選びなさい。
- 1.5[kg]
- 2.0[kg]
- 2.5[kg]
- 3.8[kg]
【問17】重力がある場所で、10[kg]の物体を加速度3[m/s²]で上昇させるために必要な力の大きさとして正しいものを選びなさい。ただし、重力加速度は9.8[m/s²]とし、空気抵抗は考えないことにする
- 9.8[N]
- 68[N]
- 98[N]
- 128[N]
【問18】運動している物体についての説明として正しいものを選びなさい。ただし、摩擦や重力などの外乱が一切ない環境であるとする。
- 力を加えると等速直線運動する
- 物体に働く力が釣り合っている場合は運動を続ける
- 力を加えないとやがて静止する
- 加える力の大きさと物体の運動の変化にその質量は関係ない
【問19】温度の変化で生じる流体の移動現象を意味する用語として最も適切なものを選びなさい
- 水流
- 乱流
- 対流
- 気流
【問20】動安定が負である時の説明で最も適切なものを選びなさい
- 揺れが次第に大きくなる
- 揺れが次第に小さくなる
- 揺れは変わらない
- 不規則に揺れが変化し次第に小さくなる
【問21】絶縁体を選びなさい
- 銀
- アルミニウム
- ガラス
- 鉛
【問22】電気抵抗に関する説明として正しいものを選びなさい
- ガラスやプラスティックは導体である
- 半導体とは金や銀のことである
- 電線の抵抗の大きさは長さに比例する
- 電線の抵抗の大きさは断面積に比例する
【問23】マルチコプターが巡航する大気層として最も適切なものを選びなさい
- 対流圏
- 成層圏
- 中間圏
- 熱圏
【問24】GPSの測位精度に影響を及ぼすものとして誤っているものを選びなさい
- 同じエリアにおけるGPS受信機の数
- 衛星信号の補足数
- GPS衛星がもつ時計の精度
- GPS受信機がもつ時計の精度
【問25】「電離層」の説明として正しいものを選びなさい
- 中間圏と熱圏の境界面付近に存在する
- 電離層の一部がオゾン層となる
- 電離層を通過する電波を増幅する性質がある
- すべての電波は電離層を通過する
【問26】「乾燥空気」説明として正しいものを選びなさい
- 乾燥注意報が発令されている地域の空気のこと
- 湿度が5[%]以上[20%]未満の空気のこと
- 水分(水蒸気)を含まない空気のこと
- 温風のこと
【問27】電気を動力とする無人航空機に関する説明として正しいものを選びなさい
- 動力用の電気配線導体としてシリコンを用いる
- 動力用の電気が流れる配線は長くするべきである
- 配線の発熱が著しい場合はその配線の太さを太くし配線抵抗値を下げる必要がある
- 電気配線における発熱と総消費電力に関係はない
【問28】電気を動力源とした無人航空機において、上昇飛行を開始した途端にテレメトリーシステムに表示されるバッテリーの出力電圧が一時的に降下した。上昇飛行を中断したところ出力電力が安定した。この現象の原因として最も可能性が高いものを選びなさい。
- 電圧監視モジュールの異常
- 上昇に伴う加速度の影響
- バッテリーの内部抵抗によるもの
- ローターの異常
【問29】電気抵抗が10[Ω]の抵抗器に 10[A]の電流を流した時、抵抗器に生じる電圧降下の大きさとして最も適切なものを選びなさい
- 5[V]
- 10[V]
- 20[V]
- 100[V]
【問30】「海面更正気圧」の説明として最も適切なものを選びなさい。
- 計測時刻における海面の高さを基準として補正を行った気圧
- 海面上にて実測した値をそこから最も近い陸地における気圧として取り扱うこと
- 天気図でも用いられる
- 海面で起こる波の高さを考慮して計測した気圧
【問31】高度と気圧の関係の説明として最も適切なものを選びなさい。
- 高度と気圧の2乗はおおよそ比例する
- 高度と気圧はおおよそ比例する
- 高度と気圧の自然対数はおおよそ比例する
- 高度と気圧の自然対数はおおよそ反比例する
【問32】「エクマン境界層」の説明として間違っているものを選びなさい。
- 接地層の外側に存在する
- 対流圏の中に存在する
- 空気がらせん状に流れている
- 高度によらず風向きが一定である
【問33】GPS衛星が送信する電波の周波数として正しいものを選びなさい。
- 10.25[kHz]
- 1575.42[MHz]
- 2.42[GHz]
- 5.7[GHz]
【問34】50[Ω]と50[Ω]の抵抗器を並列に接続した場合の合成抵抗を選びなさい。
- 1[Ω]
- 10[Ω]
- 25[Ω]
- 100[Ω]
【問35】[図1]の★で示す位置において予想される風向きとして最も適切なものを選びなさい。
- 南
- 東
- 北西
- 南東
【問36】気圧の違いにより生じる空気を移動させようとする力を表す言葉として最も適切なものを選びなさい。
- 推力
- コリオリ力
- 気圧傾度力
- 風力
【問37】1気圧の説明として正しいものを選びなさい。
- 1010.15[hPa]
- 1013.25[hPa]
- 1024.13[hPa]
- 1030.10[hPa]
【問38】風の説明として正しいものを選びなさい。
- 風向は気圧傾度力に平行に働く
- 風速がゼロの状態でも機体にはコリオリの力が働く
- コリオリの力は空気が移動する方向と直角に働く
- 気圧傾度力は低気圧側から高気圧側に向かって働く
【問39】標準大気の条件として間違っているものを選びなさい。
- 乾燥した完全ガスである
- 海面上における気温を0[℃]とする
- 海面上における気圧を1013.25[hPa]とする
- 海面上における密度を1.225[kg/m³]
【問40】標準大気における高度2000[m]の気温として最も適切なものを選びなさい。
- 約-6.5度
- 約0度
- 約2度
- 約13.7度
【問41】次の選択肢のうち、マルチコプターを離陸させた直後に静安定が負となる主な原因として最も適切ものを選びなさい。
- ゲイン設定が高すぎる
- 気温が低すぎる
- 機体の重心が偏りすぎている
- 湿度が低すぎる
【問42】第四級アマチュア無線技士の操作範囲の操作を行える無線従事者の免許として誤っているものを選びなさい。
- 航空機無線通信士
- 第二級陸上無線技術士
- 第三級海上無線通信士
- 第四級海上無線通信士
【問43】技適マークを選びなさい。
- ァ
- イ
- ウ
- エ
【問44】小型無人航空機等飛行禁止法において、対象施設周辺地域の上空における飛行が禁止されているものとして誤っているものを選びなさい。
- 離陸重量100gの無人航空機
- 有人パラグライダー
- 旅客機
- 離陸重量200gを超えるクアッドコプター
【問45】緊急用務空域の説明として最も適切なものを選びなさい。
- 国会議事堂等の国の重要な施設の上空
- 緊急用務空域は必ず7開庁日前に告示される
- 包括的な飛行の許可又は承認を国土交通大臣から事前に受けている場合は、緊急用務空域で無人航空機を飛行させることができる
- 緊急用務空域に指定された空域は、原則として無人航空機の飛行が禁止される
【問46】飛行中に生じうるトラブルを飛行開始前に予想して対応策を検討することを表す言葉として最も適切なものを選びなさい。
- GPS
- CRM
- TEM
- ESC
【問47】日本の国土交通省航空局を表す表記を選びなさい。
- JCAB
- FAA
- ICAO
- EASA
【問48】航空法における飛行許可又は承認を申請するのあたって説明として正しいものを選びなさい。
- 国土交通省航空局が認定しているいずれかの認定団体等が実施する技能講習を受講しなければばらない
- 無人航空機の操縦に関する免許を取得しなければ許可承認申請は行えない
- 小型無人機等飛行禁止法と航空法における許可及び承認は法的には関係がない
- 認定団体等が実施する技能講習を受けることなく飛行の許可又は承認申請をする場合は、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領に定められた基準以上の操縦技能及び飛行時間等経験を必要とされない
【問49】人が多く集まる催事上空において無人航空機を地上から10mの高さで飛行させるため国土交通省から承認を受ける場合、最低限設定しなければならない立入禁止区画の範囲として最も適切なものを選びなさい。
- 機体から10m
- 機体から15m
- 飛行範囲の外周から15m
- 飛行範囲の外周から30m
【問50】航空法(第132条の2第1項第2号)に定められている飛行前確認の内容として定めがないものを選びなさい。
- 気象情報
- 無人航空機の状況
- 操縦者の飛行経歴
- 飛行空域周辺の状況
解答と解説
【問1】4.動力を持たないグライダーは軽航空機に属する
【問2】1.地面効果が発生すると揚力を失い墜落する
【問3】2.前進速度を上げる
【問4】2.ある状況を想定した際の危険性
【問5】1.風上に向かって加速させる
【問6】1.動力を持たないグライダーを飛行させるために他の航空機によって上空まで引っ張ってもらうこと
【問7】3.地球を自転軸の北極から赤道に向かって移動するとき
【問8】3.時速100kmで移動する車が5秒で停止したときに運転手が感じる力
【問9】3.ゲインの設定が高い
【問10】2.任意の平面にかかる大気の重さ
【問11】1.進行する機体を静止させるために機体を傾けること
【問12】2.WiFi
【問13】4.高度が上がるほど風速は速くなる
【問14】2.積乱雲の発生
【問15】2.0.5[m/s²]
(解説)
ニュートンの法則の公式
加速度[m/s²]=力[N]/質量[g]
10N/20kg=0.5[m/s²]
【問16】3.2.5[kg]
(解説)
国土交通省に提出する許可・承認申請における機体重量は
空虚重量+燃料やバッテリーの重量
空虚重量1.5kg+バッテリー1kg=2.5kg
追加装備やペイロードの重量は含まない。
【問17】4.128[N]
(解説)
重力は常に下向きにかかっているため、重力加速度9.8[m/s²]に逆らって上昇する。
つまり加速度9.8[m/s²]で同じ高度で静止していられる。
加速度3[m/s²]で上昇するために必要な加速度は
3+9.8=12.8[m/s²]
ニュートンの公式にあてはめて上向きの力を求める
力[N]=質量[g]×加速度[m/s²]
10kg×12.8m/s²=128[N]
【問18】2.物体に働く力が釣り合っている場合は運動を続ける
【問19】3.対流
【問20】1.揺れが次第に大きくなる
【問21】3.ガラス
【問22】3.電線の抵抗の大きさは長さに比例する
【問23】1.対流圏
【問24】1.同じエリアにおけるGPS受信機の数
【問25】1.中間圏と熱圏の境界面付近に存在する
【問26】3.水分(水蒸気)を含まない空気のこと
【問27】3.配線の発熱が著しい場合はその配線の太さを太くし配線抵抗値を下げる必要がある
【問28】3.バッテリーの内部抵抗によるもの
【問29】4.100[V]
(解説)
電圧=電流×抵抗
10A×10Ω=100[V]
【問30】3.天気図でも用いられる
【問31】4.高度と気圧の自然対数はおおよそ反比例する
【問32】4.高度によらず風向きが一定である
【問33】2.1575.42[MHz]
【問34】3.25[Ω]
(解説)
並列回路の合成抵抗
抵抗器AとBの合成抵抗
合成抵抗=A[Ω]×B[Ω]/A[Ω]+B[Ω]
50Ω×50Ω/50Ω+50Ω=25[Ω]
【問35】3.北西
【問36】3.気圧傾度力
【問37】2.1013.25[hPa]
【問38】3.コリオリの力は空気が移動する方向と直角に働く
【問39】2.海面上における気温を0[℃]とする
【問40】3.約2度
(解説)
標準大気の条件では、高度0mで気温は15度である。
気温は1000mごとに6.5度下がる。
2000mの気温なので13度下がる。
15度ー13度=2度
【問41】3.機体の重心が偏りすぎている
【問42】3.第三級海上無線通信士
【問43】3.ウ
【問44】3.旅客機
【問45】4.緊急用務空域に指定された空域は、原則として無人航空機の飛行が禁止される
【問46】3.TEM
【問47】1.JCAB
【問48】3.小型無人機等飛行禁止法と航空法における許可及び承認は法的には関係がない
【問49】4.飛行範囲の外周から30m
【問50】3.操縦者の飛行経歴
まとめ
皆さん何問解けましたか?
今回の試験では50問中8問が「ドローンに教科書 標準テキスト 3級4級対応」からの出題でした。
「ドローンの教科書 上級テキスト2級対応」に加えて、もう一度復習しておくことをお勧めします!